M696用インナーカートリッジキット (1/2)

 DUCATIに純正フォークを供給している某サスペンションメーカーが、自社製純正フォーク用のインナーキットを一般への発売に向け開発中、とのことで、その発売前のテストを行わせていただくことになりました。


 トップキャップのアジャスタブル・ダイヤルにそそられます。


 これがキットの全貌です。ボトム&インナーチューブ、アウターケースは純正品をそのまま使用します。対象のフォークは左右で異なる機能(コンプレッション/リバウンド)が割り振られていますので、インナーの構造は左右で異なります。


 2セット送っていただき、もう1点はインナーキットを組み込んだフォーク・コンプリートです。



 今回はフォークコンプリートの方の取付です。対象車両はM796。3年ほど乗られて、走行距離は12,000キロ超。

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 このM796にはS社のフォーク(左)が取り付けられていました。このキットはS社のフォークには組み付け不可ですから、フォーク・コンプリートでの交換には好都合の対象でした。

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 まずはオーナー氏に手で押してのインプレッションをうかがいます。コンプレッション側は明確な差異は感じ取れなかったものの、リバウンド側は上質感のある動きを感じ取れました。(一方に12,000キロの消耗があることは考慮に入っていない点で公平な評価ではありませんが)

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 トップキャップに削りだしパーツに赤アルマイトと、なかなか好いたらしい演出がなされていて、常に目に入るところですから、機能改良以外でも投資への満足感が高まります。

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 ここで問題発生!!組みつけてみるとどうにもフェンダーとタイヤとのクリアランスが足りない。

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 この問題の原因は、このコンプリートフォークがM696用の純正フォークを使用していたことでした。M696のフロントタイヤサイズは120/60-17、M796は120/70-17と扁平率が異なっている、つまりタイヤ外径が異なるのですが、その違いの対応(フェンダーの高さ変更)はフォーク側でするようになっています。

 上にあるフォークボトムケースの比較画像を見れば、フェンダーマウントのネジ穴の位置関係が一目瞭然なのですが、フェンダーマウント台座に、上下2か所ネジ穴を取れるようにしてあり、メーカーでネジ穴加工する際に対応しております。

 勇み足でした。せっかく取り付けたのですが、ネジ穴加工のため取り外しです。

 交換作業中は、日ごろ怠りがちなホイールのワックスがけをオーナー氏の自らの手で行っています。素晴らしい心がけですね。

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 若干25歳の若きオーナーもご満悦。(余談ですが、20代のドカオーナーが増えることを願ってやみません)

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 次回はM696フォークへのインナーキットの取付をご報告いたします。(当該M696が、まだ比較するに十分な走行距離に至っておりませんので、時期待ちとなっております)

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