残りの車両を駆け足でご紹介。
今回、画像から車両の同定(特に年式)に非常に苦労しました。間違いがありましたらご指摘願います。(業務連絡:E藤氏へ。また似たような機会がありましたら、付随の看板などがあれば併せて撮ってきてもらえますと非常に助かります。よろしくお願いいたします)
Chrysler
日本ではイマイチ人気のないクライスラーですが、日米とも一部ビョーキな人には熱狂的な支持を受けているブランドです。(ビョーキにかかると、クライスラー車を”MOPER”なんて呼び始めちゃいます)60年代後半から70年代にかけ、フォードやGMのレース活動がヨーロッパナイズ、洗練されていく中、かたくなに土着的ともいえるアメリカ国内レースにこだわり、それに向けたバカげた(ように見える)車を出しまくっていました。この辺が一番のウケる理由である模様。
1964 Dodge 330 Max Wedge
フルサイズ2ドアセダンの330に、425HPを出す426(7L)マックスウエッジ・エンジンを積んだ伝説的なストックカー&ドラッグレース用モデル。地味目なセダンボディにガチガチのチューンが施された典型的「羊の皮を被った狼」。ほとんどが競技に回され、ロードバージョンは極めてレアとのこと。
1965 Dodge Coronet A990 Hemi
ダッジのミドルサイズ・エントリー車コロネットに、ただでさえ高性能な426ヘミにレース用チューンを施した”A990ヘミ”を積んだタダモノでは無いモデル。
1966 Dodge Coronet Convertible
4代目コロネットのコンバーチブルモデル。
1969 Dodge Coronet
5代目コロネット。この顔、日本車の何かに似ているように思えませんか?”愛の”なんちゃら、でしたっけ?チャレンジャー(PART1で紹介)に良く似た”ケンと”なんとかなんかもあったりして・・・王子様は、マイナーなクライスラー車なら日本人も知らんだろう、とタカをくくっていたのでしょうか?
1968 Dodge Charger R/T
セダンのコロネットに2ドアファストバックのボディを架装したものが初代チャージャー。(チャレンジャーと形も似ていて紛らわしい)画像の車両はナンバーが主張する通り、440(=7.2L)マグナム・エンジンを搭載。1970年代初頭、オイルショックと政府によるパワー規制で、当初は400馬力を誇った440も140馬力までパワーダウンされてしまいます。そのような逆風の中でもチャージャーの生産は1978年まで続きました。
1965 Plymouth Satellite
プリムスのインターミディエイト・エントリー車。426ヘミ・エンジンをオプションで選択でき、マッスルカーとしてストックカー&ドラッグレースで活躍しました。
1969 Plymouth Roadrunner
若年層を狙ったポニーカーがマッスルカーに変貌すると若年層には手の届かない価格帯の車となってしまいます。ロードランナーは、若年層を呼び戻すことのできる価格帯のマッスルカーとして企画されました。プリムスのラインアップではベルヴェデアとサテライトの間を埋める車として位置づけられています。
車名はアニメのロードランナー由来で、ロードランナーがアニメの中で発する独特の鳴き声(Beep Beep)をホーン音に採用するといった遊び心アリ。(1970年モデルの広告)
1970 Plymouth Roadrunner
1970 Plymouth Superbird
NASCARホモロゲーションモデルとして、ロードランナーにFRP製のノーズコーンとアルミ製の巨大なリアウイングを装着したモデル。生産台数が2000台弱と極めて少なかったため希少車として珍重されています。
同巧をダッジ・チャージャーに施した兄弟車「ダッジ・チャージャー・デイトナ」が存在します。(両車はヘッドライトの形状くらいでしか区別できません(笑))
1968 Dodge Dart
フルサイズとして世に出たダートも世代交代ごとにダウンサイジングされ、この4代目ではついにコンパクトカーとなっています。ボンネット上のエアスクープから426ヘミ搭載車と分かります。
1969 Dodge Dart
1974 Plymouth Duster
コンパクトセダンのヴァリアントのAボディをベースにしたポニーカー、バラクーダが1970年に専用シャーシを得て大型化されると、それに代わるAボディ・ベースのスポーティカーとしてダスターが登場します。ダスターは1976年まで生産されました。
この巨大なエアスクープを付けたモデルはクライスラー最大の 440(7.2L)マグナム・エンジンを積んだ “TWISTER” でしょうか?
Ford
Ford Model T
モデルTは、ベルトコンベアによる流れ作業で大量生産された史上初の自動車で、それにより自動車を大衆のものにしたと、車に興味のない人にも広く知られています。(実は、初期の生産ではベルトコンベアは使用されておらず、さらなる製造コストの低減を狙って1913年から導入されています)
モデルTは、1908年から1927年まで19年間も生産され続けましたが、1923年の販売台数ピーク以降、ライバルの追随を受け急速に時代遅れになっていったにも関わらず、モデルチェンジどころか大きな改良すら行われませんでした。これはフォードの専制君主であった創業者ヘンリー・フォードが、「モデルTは完璧な製品であり、改良や代替モデルは必要ない」と頑なに信じ込んでおり、T型の売り上げが落ちると価格を落とすことで対応するよう指示をしていたからです。ボディカラーも生産性を追求した黒一色しか許さなかったほどでした。(1926年に黒以外の3色をオプション設定しますが、時すでに遅し。その一方、その長い生産期間のおかげで単一車種の総生産台数1,500万台の記録を打ち立て、フォルクスワーゲンに破られるまで45年間もタイトルを保持しました)
末期の1926年モデルあたりでしょうか?
1937 Ford Sedan
1937年型フォード・セダンのストリートロッドカスタム。
1967-1969 Mercury Cougar
マスタングのコンポーネントを流用して製作された上級ブランド、マーキュリーのコンパクトスポーツ。
1971 Mercury Cougar
GM
1965 Chevrolet Chevelle Convertible
1963年、フォードのベストセラー中型車フェアレーンの対抗馬として発売。経済的なファミリカー(笑)として、セダン、クーペ、ハードトップ、コンバーチブル、ステーションワゴンと多岐にわたるボディ・バリエーションを有していました。
1966 Chevrolet Chevelle Malibu SS
マリブSSのサブネームが付けられたハイパフォーマンスモデルには、396(6.5L)エンジンが積まれています。
1970 Chevrolet Chevelle SS
1967年、シェベルはフルモデルチェンジを受け2代目となります。2代目SSには、まもなくシボレー最大・最強、450馬力を誇る454(7.4L)エンジンを積んだSS454が追加されますが、1972年にはお決まりのオイルショック&馬力規制で270馬力まで出力を落とされると、シェベル自体も同年、3代目に座を譲ります。
1970 Chevrolet El Camino SS
1968年から1972年まで生産された3代目エルカミーノは2代目シェベルがベースのピックアップです。標準の5.7L V8の他、ハイパフォーマンスモデル SS396(6.5L)もシェベルと同様に設定されています。さらに454(7.4L )搭載車も少数存在するとのことです。
1982 Chevrolet El Camino
1978年から1987年まで生産された5代目は、生産中止となっていたシェベルに代わってその後継、マリブ&モンテカルロとコンポーネントを共用しています。
1983-88 Chevrolet Monte Carlo SS
GMのインターミディエイト、4代目モンテカルロのスーパースポーツ・パッケージ車。ヨーロッパ車調エアロ・モディファイを特徴としています。
ベースはメッキされたグリルとトリムで飾られた見事なまでのコンサバなアメ車です。
このボディイメージのNASCAR(中身は別物)の活躍はよく知られています。
1970 Chevrolet Nova SS
1961年デビューのシボレーのコンパクトカー、ノーヴァは1968年にモデルチェンジされ3代目へと移行します。ライバルはフォード・ファルコン。兄貴分のシェベル同様、ハイパフォーマンスモデルがSSで、350(5.7L)エンジンをを積んでいます。
GM – 1959 Cadillac Coupe Deville
絶滅種”恐竜”の中でも、1959年モデルのクーペ・ドヴィルが最も大きく派手なテールフィンを持つとされています。それでもエンジンはまだ可愛らしく、390 cui (6.4 L)しかありません。
GM – 1978 Cadillac Eldorado
エルドラドはキャデラックの最高級パーソナルクーペ。77年に500cui(8.2L)から425cui(7L)に焼け石に水的なダウンサイジングがされていますが、その大排気量V8に組み合わされる駆動方式はなんとFF!!
Ford – 1977 Lincoln Continental Mark V
フォードの最高級車がリンカーン。マークVは「エルドラド」のライバルのパーソナルクーペ。これでもエルドラド同様、1977年モデルで460cui(7.5L)から400cui(6.6L)にダウンサイズされています。無論、焼け石に水です。(特徴的なリアトランクフードのタイヤハウスを映した画像が欲しかったですね)
1966 Chrysler Imperial
クライスラーの最高級車はインペリアルです。GMのキャディラック、フォードのリンカーンに比べ、イマイチ日本での知名度が低いようですが。
GM – 1955 Chevrolet Bel Air
この初代ベルエアはシボレー・フルサイズ最上級モデルでした。1959年のインパラ、1965年のカプリスの登場で、50年代アメリカの豊かさの象徴と言われたベルエアもフルサイズでのヒエラルキー3番手となってしまいます。
GM – 1962 Chevrolet Biscayne
フルサイズのエントリー車、ビスケインの2代目。
GM – 1965 Chevrolet Impala SS
4代目インパラ。1965年当時のシボレーのフルサイズ・ラインアップは上から、カプリス、インパラ、ベルエア、ビスケインで構成されていました。
ハイパフォーマンスモデルのインパラSSは、最高出力305、340、350馬力いずれかの348(5.7L)あるいは最高出力425馬力の409(6.7L)が選択できました。
画像の車両は特徴的なリアコンビネーションランプの形状から1965年モデルで間違いないはずですが、ナンバーが主張するように1970年モデルから積まれる454(7.4L)エンジンに載せ換えているようです。
GM – 1967 Buick Riviera
フォード・サンダーバードの大成功に対抗して出されたフルサイズ高級パーソナル・クーペ。
1956 Ford Thunderbird
初代コルベットの対抗馬として、同じ2シーターオープンで出されたサンダーバードも、コルベットが路線を変更してハイパワー・スポーツ路線を極めていくのに対し、スペシャリティー・カー路線に居残り続けました。
1968 Ford Thunderbird
1967年に登場した5代目サンダーバードは大型化され、同社のリンカーンに肉薄する豪華さを持たされました。
2ドア4シーターがサンダーバードの特徴でしたが、この世代には観音開きの4ドアセダンの設定もありました。
1972 Ford Bronco
1966年デビューで1977年まで作られた初代ブロンコは、ジープ・CJモデルに対抗して出されたコンパクトSUV。可愛らしささえ感じられるそのサイズも2代目からフルサイズへと大型化されてしまいます。
Willys – 1977 Jeep Wagoneer
1963年にデビューしたフルサイズSUV。1970年にウイリスはAMCに買われ、1987年にはAMCはクライスラーに買収されますが、なんだかんだで1991年まで3社に渡り29年間もの長期間、作り続けられました。
GM – 1987 Chevrolet C/K
C/Kはシボレーのフルサイズ・ピックアップトラック。1973年から1987年まで製造された第3世代。
GM – 1987 Chevrolet K5 Blazer
1969年、ジープ・ワゴニア、フォード・ブロンコに対抗して、C/Kのシャーシを使って作られたフルサイズSUVの1973年にモデルチェンジした第2世代。第2世代K5ブレーザーは1991年までフェイスリフトを繰り返しながら作り続けられます。
ハードトップ仕様。幌によるコンバーチブルトップというのもあります。
GM – 1974 GMC K5 Jimmy
K5ブレイザーのGMCディビジョンおける兄弟車がK5ジミー。1974年式は第2世代の初期モデル。
Chrysler – 1971 Dodge Ram Van
70年代に流行ったバニング・カスタム車。