[O川さんの世界] TSM 1/12 DUCATI 750F1

#今回よりO川さんに、ミニュチュアモデル関係を主な話題として寄稿していただくことになりました。

  db1を1/12でスクラッチ製作されている方は、このモデルをご存知でしょうか?私が、このモデルを見た最初の感想は「やった!ついにdb1の部品が発売された!」でした。(笑)

 そうです、エンジンとブレーキローターをdb1に転用できる!というのが第一印象だったのです。コレをバラしてエンジンを取り出し、型取り複製してデティールアップすれば・・・(F1ファンの方ごめんなさい)

 次の感想は、どこ製なんだ?でした。メーカーは誰もが気にしますよね。

 『TSMモデル』製です。「トゥルー・スケール・ミニチュアズ・モデル」の略だそうですが、たいへん「志」の高いブランド名ですね。政党で言ったら「真実一路党」といったカンジでしょうか?うがった見方をすれば「嘘くせ~」ともなりそうなネーミング。

 ネットでの画像はメーカーが用意したものばかり。実売された製品をレポートしたものは見つけられず、唯一発見できたのはユーチューブの動画でした。(個体差や不良の検証は、この動画との比較のみという事になってしまいました)

 フリマやオクで、中古が2~2.5万円で出品されていたのを見て知ったこのモデル。もうショップでの購入は無理だろうと思ったら、在庫が1点見つかりました。定価(¥16,000税別)で買えたのはラッキーでした。

 パッケージには写真は無く、初めて買う人は不安かもしれません。また、取説や実車の解説資料など一切入っていませんでした。

 ミニチャンプスは模型の画像を使っています。

 全体的なフォルム、カラーリング、デカールによる下地隠蔽度などは「ミニチャンプス」や「オートアート」と比べて遜色ありません。パイピングやステップ周りも精密に再現されています。塗装も綺麗です。(ミニチャンプスは車種による品質の差が大きいので、ドゥカティ・シリーズに限っていえば、ミニチャンプスより上と思います。例えばミニチャンプスの900SSの場合、パッケージ写真は綺麗ですが、実製品のカウルには、しっかりパーティングラインが残っていて、残念この上ない仕上がりでした。カウルは「顔」ですからね)

 ディスクローターはピンホール加工が雑で、他社製品やプラキットのエッチングパーツに比べると雲泥の差があります。

 エアファンネルはイイ感じに仕上がっていて、タミヤの目の荒いディディールアップパーツよりずっとリアルに見えます。

 カウルは外せなさそうなので、エンジンを見るには「破壊」あるのみ?

 タンク上面に付くブリーザーパイプはチリチリ曲がった「針金状」で、実際、針金でした。交換が望ましいですね。

 国産のみならず、レーサーレプリカと呼ばれる車両で、メインスタンドのみでサイドスタンドが無いのは、私が知る限りF1だけです。「スクーターじゃないんだから・・・」という違和感を感じました。そのメインスタンドはオートリターン仕様です。が、模型なので飾る分には問題ありません。スプリングが強い分、経年で下がってくる心配がなくて、逆に安心感を感じました。

 最後に不良箇所のご報告。私のはタンクの塗装がザラザラのシボシボ!ユーチューブのはツヤツヤだったので、ほぼ間違いなくこの個体のみの不良でしょう。

 タンクをリペイントしたいのですが、貼り直すデカールが無いんですよね・・・
 
 以上の内容で、定価¥16,000(税別)。発売から1年ほど経っていますが、稀にオクで2万円以上で出品されています。それでも、オーナーだったら買っちゃいますかね?

#私(ブログ管理者)が入手した情報(通販で買ったミニカーに同梱されていたチラシ)によると、次なるモデルはモンジュイのようです。まだメーカーHPでも試作品のお披露目もなく、予定は未定のようですが・・・

#さらにチラシのF1、村山モータースのステッカーの貼られた日本仕様なんですよ。それも模型化されたIII型とは異なるI型です。ネットに落ちていた画像を、Mマークの意味も何も考えずに拾ってきて使ったんでしょうか?確かに、チラシには「1985年式」とあるので、「1986年式」であるIII型ではなく、「1985年式」のI型が模型化されるべきなのですが・・・

#さらにさらに、もう1点。TSMのF1、なぜかミラーがUS仕様などに使われたビタローニのファラスなんですよね。丸ガラスで足の長いヤツ。好みもありましょうが、あんまり格好良くないという評価のミラーです。より一般的な、砲弾型でカッコイイ、ビタローニのセブリングに(エポパテでワンオフ製作して)交換したいところ。

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TSM とは
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TrueScale Miniatures (http://www.truescalemini.com/)は2007年に香港で設立された比較的若い会社で、現在、1/18、1/43といった王道スケールのミニカーの他、1/8、1/12といった人目を引くビッグスケールのミニカーを製造・販売しています。(世界のミニカー製造は、持ち前の手先の器用さと労働コストの安さをフルに使った中国人に、完全に牛耳られています)

最初の製品はスナップオンのツールを1/18および1/43にした「Garage Essentials」シリーズ。一種の販促品として、2007年および2008年にスナップオンを通じて販売されています。

初のミニカーは「1/18 1980 Porsche 935 K3 Le Mans Apple Computer」(2008年)。このアップルカラーのクレーマーは人気モデルで、すでに数社が模型化している中、遅れての参戦です。それでも精緻な再現で、市場では好評をもって迎え入れられました。

OEMにも積極的で、スナップオン同様、ベータのツールを模型化していたり、

一時期、フジミ模型が販売していたの1/43のレジン製フェラーリのシリーズはトゥルースケールによるものでした。

1/12 1978 PORSCHE 935/78 LeMans #43

上で紹介したチラシに、1/12という大スケールの935/78を発売予定とありました。

935/78も935K3同様、多くのメーカーから模型化されている人気アイテムで、今さら市場への投入、それもハイリスクな大スケールで?という思いも無きにしも非ずといったところです。

メーカーHPで確認すると、現在、予約を集めている段階で、チラシにはシルバーストーン優勝の#1が出ていますが、実際模型化されたのはルマン8位の#43でした。以下はメーカーによる試作品画像です。

現地価格は$400とありますが、日本では52,000円+税。レジン製のプロポーショナル・モデルで、大スケールの醍醐味であるドアやカウルの開閉ができないようです。う~ん・・・

プロポーショナル・モデルで良いならもっと安いのがCMR製であります。もちろん1/12です。オープン価格ですが、おおむね3万円台半ばから後半程度で取引されているようです。こちらも実車と見まがうほどの出来。

フル開閉を望むなら、日本のモデルファクトリー・ヒロ(MFH)製 1/12 があります。お値段は67,500円+税と少々張りますが・・・

ただし、ヒロの935/78はレジンを主にホワイトメタル、エッチングパーツで構成されたマルチ・マテリアルの組み立てキットなのです。見本のような仕上がりに持って行くには、かなりの熟達した製作テクニックが必要とされ、敷居の高いものであるのは間違いありません。

3社の935/78を見比べて、リアウインドウの色にクリアとクリアイエローがあることが気になりました。そこで実車を調べてみたのですが、#43カーにおいては、クリアイエローが正解のようですね。

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F1エンジンの部品取り?
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#このコラムはブログ管理者によるものです

O川さんはDB1に使える 1/12 パンタ用エンジンをお探しのようですが、あるんですよ!それもウルトラ・ハイディテールで!!これは本物のエンジン画像ではありません。1/12のレジン製です。

このエンジンが入っているのがこのキット。イタリアのガレージキットメーカー、ブラチモデルの1/12 DUCATI TT2 / Tony Rutter です。お値段、44,000円+税という部品取りにしようものなら目が潰れるというレベルの逸品。

エンジンの組み立てだけで4ページ、5ステップに渡るボリューム。レジンで抜かれたボルト類、それも1/12のを延々、各部に貼り付けていく工程は気が狂いそう・・・考えたくもない。

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1/12 TAMIYA – DUCATI 1199 Panigale & 916
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#最後に、O川さん作のキットをご紹介。

 アクセルワイヤーの新設などを含めた、パイピングの適正化を施した程度の素組み作品です。

 パニガーレは、サードパーティ製のデカールを購入してトリコローレ仕様にしたんですが、なんと製作途中に本家タミヤ製が発売されてしまい、「クソがっ!」となった作品です。

 カーボン部はデカールではなくストッキング塗装を行いました。肉眼だとそれっぽいんですが、画像にすると、コントラストが浅くイマイチに見えてしまいますね。

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1/12 TAMIYA – YAMAHA SRX-6
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 SRXは良心的なキットだと思いますが、旧作という事もあり、ステー一体成形のミラーが酷い。なので、ステーを切り取り、ゼムクリップをバラした金属線で新設しました。それ以外は、パイピングの適正化を施した程度の素組みです。

 ブレーキディスクもピンホールではなくスリットなので開口が面倒で、「クソがっ!」となった作品です。あんまり面倒すぎて、もう一台バイザー付きのヨシムラ仕様を組むつもりだったのですが、辞めました。

1 thoughts on “[O川さんの世界] TSM 1/12 DUCATI 750F1

  1. こんにちは。750F1(1型)でお世話になりました、愛知県のNです。
    TSMのF1、1年くらい前から発売予定となっていたので海外サイトへオーダーしてあるのですが、欧州(ドイツ)では未入荷だそうです。実車同様に日本向けに優先出荷なのかもしれませんね。破損覚悟(?)で改造するつもりですが(笑)バリエーションでTT2が出ると嬉しいです。

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