ビタローニ・セブリングミラーを3Dプリンタによってコピーしてみました。試作した成果をご紹介いたします。
FFF (熱溶解積層方式)
原材料となる固形樹脂を熱で溶かしながらノズルから押し出し、積層しながら立体物を造形する方式。3Dプリンタとして最もポピュラー。略称は、 FFF (Fused Filament Fabrication)あるいはFDM(Fused Deposition Modeling)。
色、質感、物性などが異なる様々な樹脂を原材料に選択できる一方(以下ではABSを選択)、製法上、積層段差ができるため、表面は粗く(精度は低く)なりがち。
SLS (粉末焼結積層造形方式)
レーザーや放電で溶かした粉末樹脂や粉末金属を焼結して立体を成形する方法。Selective Laser Sintering の略称。FFF(FDM)と同じ積層成型であるものの、焼結により強度などの物性をより良くすることができます。
ナイロン樹脂を焼結
ナイロンとカーボンボールの混合材料。
治具など高精度高剛性が要求される場合に使用。
各種成型品の比較
左から
FFF-ASB:強度・見栄えはそれなり。FFF方式でも限定的な実使用は可能。
SLS-ナイロン:切削に最も負荷がかかる。耐摩耗性、衝撃加重への抵抗性が欲しい。
SLS-GB50:
オリジナル:
量産時、最適と思われる組み合わせ。
FFF-ASB:ボディパーツ
SLS-GB50:インナーパーツ
SLS-ナイロン:台座
DfAMの施工
DfAMとは、Design for Additive Manufacturing(付加製造のための設計)の略称。
3Dプリンタによる生産物を最適化すべくオリジナルパーツから設計変更(肉厚、形状など)を加えています。
オマケ
「3Dプリンタならこのような形状でもイッパツで抜ける」という某社のサンプル。
3Dプリンタの「匠」が3Dプリンタで作った札入れ。3Dプリンタを知らない人なら、ふ~ん、といった程度の反応かもしれません。3Dプリンタをかじったことのある人なら、驚きの造形物なんだそうです。
コイン入れ。ヒダ同士が交互にはまり合って閉じるのですが、その精度管理が絶妙ゆえに成立する世界だそうです。
造形物に後から色が染められるというサンプル。(アルマイト染色のようなイメージです)