小糸製作所
なかなか興味深い小糸製ヘッドランプの歴史が展示されていました。
D51-146 (1936年-1945年) の前照灯は小糸製でした。
1932(昭和7)年から「くろがね4起」に灯火類を提供したのが小糸のヘッドランプ事業の始まりだそうですが、さすがに現物は残っていないようです。
1936(昭和11)年
これは1936(昭和11)年より豊田AA型に採用された前照灯です。豊田AA型は現存していなくて、トヨタが自社の博物館に展示するために、当時の図面から復元しましたが、その時に作られたもののようですね。「KOITO」ではなく「TOYODA」と入っています。
1957(昭和32)年
オールグラス・シールドビーム・ヘッドランプの製品化に成功。トヨタ、日産、東洋工業への納入を開始。画像はスカイラインに採用されたもの。
1979(昭和54)年
1979年に「スカイラン」と「クラウン」に採用されたのが初の小糸製異形ヘッドランプなんだそうです。おそらく日本初でもあるんでしょうが、異形の採用って案外、遅かったんですね。(画像はスカイラン「ジャパン」用)
1996(平成8)年
ディスチャージヘッドランプ。日産テラノ用。
wikiによれば、世界初は BMW・7シリーズ(1991)とのこと。日本初はそれよりも5年も遅れて、三菱ふそうのスーパーグレート(1996)、乗用車は日産テラノ(1996)だそうです。
2007(平成19)年
ついに小糸がLEDヘッドランプで「世界初」。レクサスLS500h用。単体で見ると、なんだか気持ち悪い形をしていますね。
LED ヘッドライトの進化
現在は第5世代だそうで。高級車(第1)→中級車(第2)→軽・コンパクト(第3)→二輪車(第4)→低コスト化(第5)、というミもフタもない進化(普及の過程)を果たしています。
ヘッドライトの制御のためだけに ECU!!
Yam. YZF-R1/R1M
ついに”コゾー”の夢(カウル前面のゼッケン化)が、かないました!!
Kaw. H2/H2R
カスタムに重宝しそうな感じです。
危険予測から自動運転へ
今までの、ハイブリッドだ、電気だ、水素だというムーブメントはまだまだ健在ですが、今回顕著に感じられたのは、「危険予測&回避技術」とそれの発展形である「自動運転」です。メーカーをはじめとして、それを支えるパーツサプライヤー、どこもその展示のオンパレードでした。この辺の「ハイテク」は日本メーカーの今後の生命線となることは間違いないようです。
日立オートモーティブ
あまり間近で見ることの無いインディカーの展示がありました。ヨーロッパのフォーミュラには(許されて)無い独特のエアロダイナミクス手法が興味深いです。
OHLINS
SMART EC
KYB
4輪用
セミアクティブ・サスペンションシステム。減衰力をリアルタイムで制御。
フリクションコントロール/周波数感応ダンパー。バネ下振動を低減。低燃費タイヤでの乗り心地を改善する目的だそうです。
バネにこんなきれいな色を置けますよ、というもの。
2輪用
電子制御サスペンション。
レーザーヘッドランプ
LEDに続く次世代ヘッドランプの最右翼がレーザーです。この辺は車両規制なんかの問題もあるのでしょうが、ヨーロッパのメーカーが一歩も二歩も先に進んでいます。高性能・高品質を思うままにしている日本メーカーといえども後追いの感は否めません。
LEDを使ってテールランプとリアウインドウを融合しているそうです。
薄さと見栄えに優れた OLED (有機発光ダイオード)によるリアランプ。
最近、プッシュスタートの車が増えてきたなあ・・・バイクの世界は大昔からそうでしたけど!(大威張り)
ゼロ戦用べローズ/自動車用サーモスタット
サーモは分かります、サーモは。ところでべローズとは? 「べローズ = bellows = 蛇腹」のことですが、単にバネの代わりになるだけなんでしょうか?
株式会社クゼーのHPより引用。「1938年、零戦用ベローズを開発。これにより国内初、ベローズの大量生産が可能となりました。このノウハウをベースに、1950年代には自動車用サーモスタットの製造・開発に着手。」まだ何だか分かりません・・・
コンチネンタル・電制ブレーキ
日本ではタイヤのイメージしかないんですが、手広くやっていますね。
ケイヒン
ライド・バイ・ワイヤのためのモーターがスロットルボディ周辺に付いています。
ミクニ
392でミクニを主張します。
みんなライド・バイ・ワイヤ方式ですねえ。
Ninja H2/H2R用
YZF-R1/R1M用
MV AGUSTA F3用
BOSCH
二輪車用センサー群。センシングした結果は、車体への操作介入の判断材料として使用します。
ブリジストン
タイヤメーカーのトレンドは、パンクの起きない「エアフリータイヤ」のようです。
ソーラーカーレースで使用された低燃費タイヤ。
RFT (Run Flat Technology) 。パンクして空気が抜けてもサイドの補強ゴムによりタイヤは潰れず、一定の速度と距離を走り続けることができるもの。
グッドイヤー
発電タイヤ。静止時は太陽光から、運転時にはタイヤの摩擦熱や圧力変化から発するエネルギーをめざとく拾って発電を行うとのこと。
ダンロップ
ダンロップのエアフリータイヤ。
シーラントタイヤ。異物が刺さって穴があいても、内部に塗り巡らされたシーラントで自己補修するというもの。
高機能バイオマス材料を使った劣化の遅いタイヤ。
シートの出品も多かったですね。
トヨタモデリスタ
アルファード / ヴェルファイアのリアシートを4座から2座としたロイヤルラウンジのシートです。ちなみに車両価格は1500万円!!だそうです。
エフテック
「感情を理解するアンビエントシート」。本気のアプローチではなく、ショーのお遊びのようです。
タチエス
マリノスベンチシート:日産スタジアムに設置されています。
レスキューシート:消防士が装備を付けたまま着座できるシート。
レーシングトラックシート:パリダカに参戦した日野レンジャーで使われたシートの現物。
シートフレームを標準化し、仕向け地によって仕様を変えているとのこと。
途上国向けコスト最優先フレーム・・・ちょっと悲しい・・・
トヨタ紡織
匠の金属加工技術。職人技の継承を絶やしてはイケマセン。
シェフラー
日本ではいまいち知名度の低い「シェフラー」ですが、日本のイナベアリングを吸収した際に日本法人を設置しております。最近、コンチネンタルを買収するとかしないとかの話もあったりと、元気の良さが目に付きます。そのシェフラーが、ドイツ代表として日本の岡本光学加工所と真球度合いを NHK の TV 番組で競ったそうです。
勝負は日本側に軍配が上がったようですが・・・なんだか番組制作側の不手際?に疑問を呈する向きも多々あったとか、私は観ていませんが。
まあ TV 屋てーのは、自分の作る番組が、面白おかしいか、お涙頂戴できるかであれば、事の真実やら検証の厳密性やらなんてどうでもいいのです。世紀の茶番、「プロジェクトX」も、事実より先に製作者の都合のよいシナリオありき。まあ、フィクションと明示されていれば、それで別にいいんですよ。問題は、あれが真実と信じてしまう人がたくさんいることなんです。ちょっと私怨が入ってしまいました。