「日産テクノモデラーズクラブ(NTMC)」が主催する「オートモデラーの集い in 横浜」が日産・横浜工場にある日産エンジンミュージアム内で行われました。毎度おなじみ、E藤氏によるレポートでご紹介いたします。
バリバリ伝説を1/12で再現。
1/9 MV アグスタ 500 トレ・チリンドリ
プロター製。1965年から1973年までMVで9年連続WGP500チャンプとなり、MV黄金期を支えたジャコモ・アゴスチーニの1967年チャンプモデル。
元GPライダー、タルクィニオ・プロビーニが創業した模型メーカー、プロターの第1作は自身が乗ったモトモリーニ250、2作目も自身が乗ったベネリ250でした。モリーニやベネリを駆るプロビーニは、新興勢力である日本車勢を相手に、時には善戦を果たしましたが、おおむね苦戦の中にありました。その頃の彼には、勝てるヤマハからの誘いもあったそうですが、それを受けず、自国のマシンを選んだのは、ひとえに「愛国心」ゆえだった、と後に述べています。「火の玉」プロビーニは、見た目の通り、浪花節の男だったのです。
一方、プロビーニはMVで250ccクラスのワールド・チャンプになっているのですが、自身のチャンプマシンを模型化することはありませんでした。(彼がはじめてワールドチャンプとなったモンディアル125は模型化されています)プロビーニにとってMV時代には良い思い出はなかったようです。彼の持ち味でもある粗野と思えるほどの武骨さは、貴族的高慢さを隠さなかったMVチームオーナー、アグスタ卿の趣味と合わなかったため、レースで活躍したにも関わらず冷遇されたからと聞きます。
しかし、そんな彼も、自国のヒーロー、アゴスチーニのチャンピオン・マシンを無視するわけにはいかなかったのでしょう。MVアグスタでは、結局、500ccと350ccの3気筒(および500cc4気筒)を模型化しています。
1/9 ヤマハ YZR500
これもプロター製で、プロターによれば、1974年にMVからヤマハに電撃移籍したアゴスチーニがヤマハで乗ったマシンの模型化ということなのですが、ひとつ疑問が・・・
ヤマハ初の500㏄ワークスマシン 0W20 は、1973年の前期型(Rツインショック)、74年の後期型(Rモノショック)の2タイプあります。
73年型 0W20 のライダーはヤーノ・サーリネンでした。(彼は、1973年シーズン途中、「モンツアの悲劇」として有名な多重事故により、命を落としてしまいます)
翌1974年はアゴスチーニと、サーリネンの後を継ぐフィンランド人ライダー、チューボ・ランシボリの2人が0W20を走らせています。
このモデル、0W20 であることは間違いないのですが、明らかにツインショックの73年型です。しかし、パッケージでは堂々、1974年型を標榜しています。(メーカーロゴはイタレリになっていますが、プロター廃業後に金型がイタレリの手に渡った後の版のためです)
なぜあえて74年モデルを謳うのか?それはアゴスチーニの乗ったマシンかどうかで、少なくともイタリア国内の売り上げは大いに異なるからでしょう。
下の画像は当該モデルの組立説明図の表紙で、2台のマシンが載っています。上のマシンはたしかにアゴが乗っていてツインショックですが、これは1974年モデルでも、YZR350(OW16)と思われます。白黒で分かりにくいのですが、ゼッケンの色が黄色地に黒文字ではないし、ナンバーも「1」ですから。下のマシンはハナからツインショックではないという・・・
ちなみに、350では1974年型も当初ツインショックでしたが、
シーズン後半ではモノショック化されています。(公道サーキット・イマトラのコース内にある有名な踏切でのショット)
まあ、この模型、サーリネンのマシンとして作れば問題はないのですが。プロターの「考証」の不確かさ(でたらめさ)は定評のあるところです。他にも、プライベーターのRS500を取材して、フレディーのNS500だ、なんて言い張ってしまったり・・・まさにイタリアンジョブを地で行ってます。
1/12 ヤマハ YZM-R1
タミヤ
1/12 ホンダ RS1000
タミヤ
1/12 ホンダ CB750F
タミヤのCB750FとRS1000の2個イチでしょう。
マイク・ベラスコ謹製のメガフォン・マフラーが見せどころ。
1/12 ホンダ NSR500
タミヤ
インディアン 741B
製作者は1/43と紹介していますが、スワッシュデザイン製1/35じゃないですかね?
トライアンフ タイガー100
レベルの1/8でしょうか?
1/12 BMW R69S
あの「完成しない」ことでよく知られたグンゼのハイテックモデルでしょう。
1/12 モトグッツイ チェンタウロ
タミヤ。このエンジンを使ってデイトナも出るかと思ったのですが、出ませんでしたね・・・
1/12 ネイキッド916
タミヤ製916改
1/12 ドゥカティ モンスター1100
フルスクラッチでしょうか。これは地味ながら力作です。
1/12 ドゥカティ 1199 パニガーレ
実車とおそろいのところを評価したい。
ヤマハ XS650
ハセガワの昔の1/10モデルと思われます。
1/12 ヤマハ XV1100 ビラーゴ
タミヤ
1/12 ヤマハ XV1600
タミヤ
1/12 カワサキ 500SS
グンゼのハイテックモデルと思われます。
カワサキ 750SS
エレールの1/8と思われます。
ホンダ CB750Four
エレールの1/8と思われます。
1/12 ホンダ CB400Four
アオシマの最新作でしょうか?
1/6 ホンダ CB750F エンジン
タミヤ
1/6 ホンダ CX500ターボ エンジン
タミヤ
1/12 ホンダ CB400SF 青バイ
アオシマ。青バイ、大阪府警が導入しているそうです。
以下、情景をご紹介します。
アオシマのあぶない刑事・1/24レパードを使用。そのまんま。
作者が一番作りたかったのは、この自販機のような気がします。
510ブルをいじる工場。510はレベル(ユニオン)の1/25でしょう。昭和の場末の工場に似つかわしくない左ハンドルです。
大・小ブルドッグ。
草むらのヒーロー。
サファリのサニトラ。
1950年代のマセラティF1チーム。
赤いスイングトップはジェームズ・ディーン?彼の356は#23だったので、ジェームズ・ディーン気取りの兄ちゃんということでしょうか?
ミニ3態。
ルノー キャトル
オマケ★日産製エンジンの歴史
日産横浜工場に併設されたエンジンミュージアムには、歴代エンジン28基を展示しているとのこと。その一部をご紹介します。
1935年 7型
SV 722cc。ダットサン14型ロードスター、2225型トラックに搭載。
1950年 D10型
7型を860ccに拡大。ダットサン6147型トラックに搭載。
1957年 C型
ダットサン210型に搭載
1964年 GR7B型
1965年 H20型
1966年 GR7B型
1967年 U20型
1968年 GR8型
ペントルーフ型燃焼室を採用
1969年 GRX-II型
1989年 VG30DETT型
1992年 VRH35Z型
1992年 VRT35型
1999年 VRH50A型
R391用90度V8 5.0L
1999年 RB26DETT型
2013年 VRH34B型